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ついったりさいくるIII 火の国の匠を護れ

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The engineers from Múspellsheimr

 前回エントリの続きです。

06/14 17:24> ズィラーゴ・ノームのメンテが無い代わりにスラタール・ドラウと契約したって線が面白いかも 06/14 17:27> スラタールから見れば、自分の所から流出した技術が20年後に飛空艇という形で戻ってきたって状況。技術者なら怒るより先に興奮するんじゃまいか 06/14 17:28> Keith神によればスラタールのエレメンタル捕縛技術はまだズィラーゴより上って話だし、飛空艇を解析して、さらに洗練を加えたくなるに違いない 06/14 17:58> とはいえスラタールって余所者に興味ないしなぁ…シアリング・ハイツを放逐されて喰いっぱぐれた変わり者のドラウ技術者(=ウクライナ人)の身柄を巡って海賊(=アルカイダ)とブレランドのエージェント(=CIA)が争うって線がいいかも。 06/14 18:10> @***** 冒険者にアーティフィサーがいる、リランダー氏族がいる、ブレランド海軍の退役軍人がいる、あたりのどれかが発生条件ですかね 06/14 18:49> . @***** シアリング・ハイツのスラタールが内ゲバを起こして、巻き添えを食った技術者が亡命を求めストームリーチのドラウコミュニティに接触してきた、とかが良いかも。(パーティにドラウが居れば成立) 06/14 18:52> . @***** 当然スラタールからは追っ手が掛かる。大国ブレランドは喉から手が出るほど技術者を欲しいから真っ先に亡命先として名乗りを上げる。しかしそれは五つ国の軍事バランスを崩さないか?冒険者は各勢力からほぼ同時にオファーを受ける。 06/14 18:53> . @***** 冒険者の最優先任務は技術者の安全確保だが、どの勢力と交渉しどこへ逃がすかはプレイヤーの判断にかかっている。 06/14 18:55> . @***** …だめだこりゃ。冒険者がラグーン商会とか名乗りそうになってきたw

 ストームリーチの南方 〈炎熱高地〉 に住むスラタール・ドラウ(Sulatar Drow)は四万年前のクオリ戦役の際、古代巨人王国に叛旗をさず最後まで巨人に忠誠を誓ったエルフの一党を祖に持ちます。洗練されたエレメンタル捕縛の技術を今に伝え、とりわけ炎の精の制御に秀でた彼等は “炎を縛める者” の二つ名を有しています。

 伝説によれば太古の昔、火の巨人にアダクサス(Adaxus)という王がおり、魔族と手を結びその憑依を受けることで――今のインスパイアドのように――強大な力を手にし、覇権をものにしたということです。彼の築き上げた版図はスラット同盟(Sulat League)という、火の巨人の都市国家を束ねた連合体として後世に遺りました。

 スラットの魔導師〈召喚術〉 〈変成術〉 および 〈エレメンタル捕縛〉 の技術に秀で、クオリとの戦いで大きな役割を果たしました。彼らは 〈次元界転移門〉 を開発して戦場を敵地 〈夢幻界〉 に移し、FAFのように前哨基地を築いて反攻作戦を指揮しました。
 また尖兵たるエルフをクオリの妖術から護るため、エルフの肉体に暗黒の力を捕縛して抵抗力の高い新種を創り出しました。これが最初の黒エルフと言われています。

  〈リーヴァーの禍〉 とともにクオリ戦役が終結し多くのエルフが叛乱を起こした中で、スラット同盟に仕えたドラウだけは最後まで忠誠を失いませんでした。竜種の侵攻によって主人が滅んだ後も彼等はスラタール・ドラウとして同盟の名を受け継ぎ、同時にスラットが築き上げた膨大な魔法技術の遺産をも引き継ぎました。

 らは伝説の 〈黒耀石の都〉 のような、火硝子で築かれた巨人文明時代の砦に今なお住み続けています。彼らのう炎の鎧や、空翔ける炎の橇エレメンタル捕縛技術の精髄であり、四万年前の偉大な技術を今に伝えるのみならず、それをさらに洗練させたものであると考えられています。

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 低レベル向けコンテンツゆえ廃人には見向きもされなかったMOD4.2 〈炎熱高地〉 ですが、1モジュールをまるまる 〈炎を縛める者〉 の話題に費やしており、サブコンテンツにしては随分と気合いの入った脚本の作りになっています。  MOD4.2リリース告知の際にはスラタールの説明のみならず、彼らを束ねる火の巨人の集団 〈玄武岩の塔〉 大隊の動向についてもちゃんと言及されています。

 Keith神のエベロン小説 『夜の門』 にはクオリの 〈黄昏炉〉 に対抗する古代巨人族武器庫 〈カルルタシュの柱石〉 が登場します。もしこれこそが 〈玄武岩の塔〉 でありスラット同盟の魔術師が塔の要員だったのなら、DDOのシナリオはよほどKB(Keith Baker)設定と密接な関係を保っているとは思えませんか。

 エベロン小説といえば 「ツンデレドラウ=影エルフ」 説は最近否定されましたが。
 いわゆるエルフに暗黒の力を捕縛して最初のドラウが生み出された、という伝説はとても興味深いものがあります。となれば、そのドラウがウムブラ――影神の力の源泉――されて誕生した影エルフは、まさにその方向での正統進化ですね。

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 最後になりましたがTwitterのログ絡みで。

 大地を疾走する雷精鉄道や天翔ける飛空艇。これらに代表される現代エベロンの高度な魔法技術、その屋台骨といえるのがズィラーゴのノーム達が独占的に開発を続けているエレメンタル捕縛技術です。カイバー竜晶精霊を封じ込め、制御する事で通常の魔術では為し得ない大出力の運用を可能としているのです。

 しかしこのエレメンタル捕縛の技術、ズィラーゴが独自に開発した訳ではありません。数十年前に暗黒大陸のスラタール・ドラウの元から密かに持ち出され、ノームが改良を加えた物なのです。ちょうどカニス家暗黒大陸でクオリの遺跡から “クォーフォージド” を見いだし、本国へと持ち帰ったように。

  〈炎を縛める者〉 は 「世界が炎に浄化される終末」 を信じ “炎の王” アダクサスの帰還を待ち望むきわめて排他性の高い部族です。しかしエベロン設定の大原則 「価値観は種族より組織に拠る」 に従えば、外界の探索任務などを通じて主流派とは異なる価値観を持つに至った個体の1人や2人が居てもおかしくはありません。とくに技術者であればリベラリストは多いでしょう。

 ブレランドの空中戦艦は最終戦争末期のサイアリ東部戦線で猛威を振るいました。
 それを支えるズィラーゴのエレメンタル捕縛技術よりも、スラタールのものはさらに数歩先を行くそうです。もしそんなスラタールの技術者が部族を追われ、ストームリーチにそして新大陸に亡命を求めてきたら?

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 これはスパイ映画では昔からお馴染みの筋立てです。   〈旧五つ国〉 の軍事バランスを崩しかねない技術流出を前に、大国の工作員は一斉に動き出すことでしょう。アンデールの 〈女王の眼〉 、ブレランドの 〈闇燈籠〉 そしてカニス南家。果てはアーラムや翠玉爪といった有象無象までも。

 部族の禁忌とされる秘術の研究に手を染めた事で死刑宣告を受け、命からがら逃げ出した三人のスラタール技術者。彼らはストームリーチのドラウ・コミュニティに転がり込み、死霊術士メノス・ズーカイネの元に身を寄せていました。
 しかし情報の拡散は思いのほか早く、既にリーチには各国の工作員が送り込まれ、転送先として選んだシャーンの発着場もブレランド陸軍によって完全に押さえられてしまいました。そして背後からは部族が差し向けた暗殺者の足音が。 「前門拒虎、後門進狼」 とはよく言ったものです。

 メノスは技術者たちを秘密裏に新大陸へ逃すため、リーチの英雄として名高い貴方に逃避行の護衛を依頼します。空間転移による脱出を阻まれ、 〈鷹匠の尖塔〉 からの主要な航空路も押さえられた貴方は一計を案じました。
 そう、飛空艇なら 〈三樽洞〉 にもあったじゃないか。髑髏の旗を掲げた奴が…。

 最終戦争が終結して3年、ズィラーゴでの正規の整備を受けられぬまま船を飛ばし続けてきた空賊にとって、専門家による補修の手助けは喉から手が出るほど欲しいものでしょう。
 かたやスラタールの側にしてみれば、たとえて盗用された技術とはいえ、自分たちが 〈火の橇〉 として運用してきたエレメンタル捕縛の技術が異国でこのような洗練を遂げ、巨大な飛行建造物に結実したと知れば、技術者なら間違いなく狂喜乱舞するに違いありません。あるいは空賊の元に残ると言い出す者も居るかも知れません。

 大国の工作員は対象(技術者)の確保が叶わぬ場合、その抹殺を命ぜられています。スラタールの暗殺者を退けた冒険者は、休む間もなくアンデールやブレランドの刺客を相手にする羽目になります。しかし大国の工作員を敵に回す事は将来に大きなリスクを残します。これ以上は不要な血を流すこと無く、空賊との虚々実々の駆け引きをり抜け、ぶじ 〈三樽洞〉 から 〈西風のミストレス号〉 で出航する事ができるでしょうか?

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 とまあこんなシナリオが何となく思いついちゃうTwitterって便利ですね!  次回はケルマー日記の続きとか。

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KBの小説読むと、DDOオリジナルだと思っていた設定がちょくちょく
出てきて驚かされます。WotCが監修に入っているだけあって、
思いのほか繋がりが密接なんですね。

それはさておき今日はTRPGのセッション行ってきました
DDOプレイヤーを対象とした、DDOのストーリーを利用した
ミニシナリオです。近いうちに簡単な報告でも。

更新乙
カルルタシュのモノリスの外壁って赤みがかったツルツルした石みたいに書かれてなかったか

貌鳥さん、土曜日はお疲れ様でした!
硬軟自在の展開にDDOMAPらしさの真骨頂を見た思いがします。
また機会がありましたらぜひ参加させて頂きます。

壺の子です。きのうはありがとうございました。
PCの調子がわるくて遅らしちゃってごめんなさい。準備の紙とかよく呼んでなかったし…OTL
D&Dはすっごく楽しかったです!自分にはマスターは絶対ムリ!だと思ったけど!面白かった!
続きがあったら絶対やりたいので誘ってください。では!

更新おつかれさまですb
DDOのシナリオが現代的なテーマを中世風にしてる
って奴を逆に当てはめたって感じですねw
フォーサイスとかの小説にありそう!

なぜ身元引受人がMenos Xuekaineなのかw
師匠がLord Tamask Xi'Razdynクラスだとやっぱかなりの有力者扱い?

>>氷雷^2
赤い玄武岩はアリですよ。ピラミッドとか使われてます。

>>makinoさん
楽しんでいただけて何よりです。
初の面子がいらっしゃるときは、たいていああいう砕けたシナリオです。
またよろしく!

>>壺の子さん
PC持ち込みのセッションは、どうしても最初だけ慣れが必要です。お気になさらず。
残念ながら今回のは単発シナリオなのです。
ただ、現在進行中のキャンペーンシナリオの外伝的な扱いで、DDOのメインストリーム
シナリオとも併走してますので、また同系の単発は組むかもです。その時はよろしく!

>>SRSさん
フォーサイス大好きw
今回はどちらかというとクライトンのイメージでしたが。

>>jhsさん
ああ、筆者がMenos好きなだけです。脳内設定多いので使いやすいだけ。
Hauted Libraryも一度解説したいんだけどなあ。
あのクエのボスの正体とか、知らない人結構いそうな感じ。

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